紹介と知人づてだけで案件が回っていたのに、最近は依頼が途切れがちだという行政書士の方は多いのではないでしょうか。相続・許認可・補助金申請など業務の幅が広い分、「どの業務をどう広告で打てばいいのか」が分かりにくいのも行政書士ならではの悩みです。
結論から言うと、行政書士の集客はリスティング広告との相性がかなり良いんです。相談者は「相続 相談」「建設業許可 行政書士」のように、困りごとと一緒に検索する傾向が強いからです。
この記事では、行政書士事務所がWeb広告で問い合わせを増やすための考え方と、広告文・LPを作るときに気をつけたい点を具体的にまとめました。
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行政書士の集客で、まず知っておきたいこと
紹介だけでは案件が安定しない理由
行政書士の仕事は、相続や会社設立のように「一生に数回」しか発生しない依頼が多いですよね。紹介に頼る集客は、紹介者の数が増えない限り頭打ちになりやすいんです。
『でも、うちは地域で長くやっているから紹介だけで十分』と思う方もいるはずです。ただ、相談者の年齢層が下がるほど、最初に検索エンジンで探す傾向が強くなっています。
実際、「相続 行政書士 近く」のように検索してから事務所を選ぶ人は、紹介経由の相談者よりも早く依頼を決める傾向があります。広告は紹介を置き換えるものではなく、紹介が来ない時期の下支えとして考えるのが現実的です。
広告が向いている業務、不向きな業務
すべての業務が同じようにWeb広告に向いているわけではありません。相続・遺言、建設業許可、補助金・助成金申請、ビザ・在留資格は、検索での相談ニーズが明確で広告効果が出やすい業務です。
一方、企業の顧問契約のような継続案件は、検索広告だけで決まることは少なく、紹介や既存のつながりがものを言います。『広告さえ出せば全部埋まる』という期待は持たない方がいいところです。
まずは自分の事務所の業務の中で「困った人が検索しそうな業務」を2〜3つに絞り、そこに予算を集中させるのがおすすめです。手を広げすぎると、どの業務の問い合わせも中途半端になってしまいます。
リスティング広告の基本と行政書士での使い方
検索キーワードの選び方
行政書士の検索広告は、「業務名×地域」と「業務名×相談・悩み」の2軸でキーワードを組むのが基本です。「相続 行政書士 ○○市」「建設業許可 取得方法」のような組み合わせですね。
地域を軸にするのは、行政書士の業務の多くが対面での書類確認や面談を伴うためです。遠方からの依頼が難しい業務ほど、エリアを絞ったキーワード設計が効果を出しやすくなります。
例えばこんな場面があります。相続業務を扱う事務所が「相続 行政書士」だけで広告を出すと、士業を探している段階ではなく、まだ「相続 手続き 何から」と調べている段階の人にも表示されてしまいます。そこで「相続 行政書士 相談」のように相談段階まで進んだ言葉を加えると、問い合わせにつながりやすい人に絞って表示できます。
予算と入札の目安
行政書士の検索広告は、業務単価や相談から契約までの期間によって適正な予算感が変わります。あくまで目安ですが、業務別のイメージを表にまとめました。
| 業務分野 | クリック単価の目安 | 月予算の目安(例) |
|---|---|---|
| 相続・遺言 | 300〜800円程度 | 10万〜30万円程度 |
| 建設業許可など許認可 | 500〜1,200円程度 | 15万〜40万円程度 |
| 補助金・助成金申請 | 400〜1,000円程度 | 15万〜40万円程度 |
| ビザ・在留資格 | 300〜700円程度 | 10万〜25万円程度 |
この数字はあくまで目安で、地域やキーワードの競合状況によって変わります。まずは小さい予算で始めて、問い合わせ1件あたりのコスト(CPA)を見ながら調整していくのが安全です。
広告文・LPで気をつけたいこと
「必ず許可が取れる」とは書けない
行政書士の広告文を作るとき、一番ひっかかりやすいのがここです。許認可の取得や相続手続きの完了を保証するような表現は、結果を断定しているため避ける必要があります。
『でも、強い言葉を使わないと競合に埋もれてしまう』という不安は分かります。ただ、「相談実績〇件」「初回相談無料」「スピード対応」のように、事実に基づく訴求の方が長く安心して使えます。
景品表示法は、実際より良く見せる表示全般に関わる法律です。行政書士の業務広告にも、依頼者保護の観点から誤解を招く表現を避けるという考え方が共通しています。断定的な成功率や「No.1」といった表現は使わず、具体的な対応内容で差別化するのが無難です。
業務範囲と資格表示の注意点
行政書士が対応できる業務には範囲があります。訴訟になった場合の代理など、弁護士でなければ対応できない業務を行政書士の広告で扱っているように見せてしまうと、誤解を招きかねません。
LPに「行政書士」の資格表示をする際は、事務所名・登録番号などを明記し、どの業務をどこまで対応できるのかを具体的に書くと、相談者も安心して問い合わせできます。
当社でも、似た課題に取り組んだことがあります。
当社の事例(受託先(BtoB))
課題:広告の成果が頭打ち
やったこと:LPを改修し、改修前後を統計的に検証
結果:主力キャンペーンのCVRが約4.2%→約9%に(統計的に有意)。CPAはほぼ半減
商圏と繁忙期に合わせた広告の組み方
商圏の考え方
行政書士の仕事は、面談や書類確認のために事務所まで来てもらうケースが多いですよね。だからこそ、広告の配信エリアは「通える範囲」を基準に決めるのが基本です。
車での来所が前提の地域なら車で30〜40分圏内、都市部で電車移動が前提の地域なら最寄り駅から数駅圏内、というイメージで考えると実態に近づきます。
オンライン面談に対応できる業務であれば、商圏を都道府県単位まで広げることも可能です。ただ、対応範囲を広げた分だけ競合も増えるので、予算配分は様子を見ながら調整しておきましょう。
繁忙期に合わせた予算配分
相続は年末年始や確定申告の時期に相談が増えやすく、補助金・助成金は公募の発表タイミングに検索数が跳ね上がる傾向があります。繁忙期が業務ごとに違うのが行政書士広告の特徴です。
実は、繁忙期の直前に予算を増やすだけでなく、公募の情報が出た「当日〜数日」に素早く広告を強化できるかどうかが、競合との差になりやすいんです。
補助金関連の広告では、公募要領の発表をきっかけに検索数が一気に増えることも。情報をキャッチしたらすぐに広告文を調整できるよう、普段から公募情報を追っておくことをおすすめします。
問い合わせを取りこぼさないLPの作り方
電話・フォームの設計
行政書士への相談は、不安を抱えた状態で検索してくることが多いですよね。だからこそ、LPに着地した瞬間に「今すぐ相談できる」と分かる作りにしておくことが大切です。
電話番号はページ上部に大きく表示し、フォームの入力項目は名前・連絡先・相談内容程度に絞っておきましょう。項目が多いフォームは、途中で離脱されやすくなります。
「平日の日中しか対応していないのに、電話番号だけ目立たせている」というLPも見かけます。対応時間外の問い合わせにはLINEやフォームで受け付ける案内を添えておくと、取りこぼしを減らせます。
初回相談無料などの訴求の注意点
「初回相談無料」は行政書士の集客でよく使われる訴求です。相談のハードルを下げる効果がある一方、どこまでが無料でどこから料金が発生するのかを明確にしておく必要があります。
『無料って書いてあったのに、結局お金がかかった』と感じさせてしまうと、せっかくの問い合わせが信頼を損ねる結果になりかねません。
例えばこんな会話があります。「相談は無料なんですか?」「はい、初回の面談は無料でお伺いしています。実際にご依頼いただく場合の料金は、業務内容を伺ってからお見積りしますね」。このように、無料の範囲と有料になる境目を事前に案内しておくと、相談者も安心して一歩を踏み出せます。
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効果検証とよくある失敗
CPAとCVRの見方
広告を出し始めたら、問い合わせ1件あたりのコスト(CPA)と、クリックから問い合わせに至った割合(CVR)の2つをまず見てください。この2つで、広告文とLPのどちらに改善の余地があるかが見えてきます。
クリックはそこそこあるのに問い合わせが少ない場合は、LPの内容と検索した人の期待がずれている可能性があります。逆にクリック自体が少ない場合は、広告文やキーワードの見直しが先です。
行政書士の業務は単価の差が大きいので、CPAの目安も業務ごとに分けて見るのがポイントです。相続業務のCPAと補助金業務のCPAを同じ基準で比較してしまうと、判断を誤りやすくなります。
よくある失敗パターン
一番多いのが、業務を絞らずに「行政書士」という言葉だけで広く広告を出してしまうケースです。検索している人の悩みがバラバラなので、広告文もLPも的を絞れず、結果的にCPAが高くなります。
もうひとつは、広告を出した直後に結果が出ないからと予算を止めてしまうパターンです。検索広告は数週間分のデータが集まってから、キーワードや広告文を調整していくのが本来の進め方です。
「思ったほど問い合わせが来ない」と感じたときほど、まずは配信地域・キーワード・LPの導線のどこに課題があるのかを数字で確認してみてください。感覚だけで判断を変えると、良かった部分まで変えてしまうことがあります。
まとめ
行政書士の集客は、紹介だけに頼らず、検索している相談者に向けてWeb広告で接点を作る方法が選択肢として広がっています。業務を絞り、地域に合わせたキーワードで、無理のない予算から始めるのが現実的な一歩です。
広告文やLPの表現には、行政書士ならではの注意点もあります。断定的な表現を避けつつ、事実に基づいた訴求で信頼を積み上げていきましょう。
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